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「疲れているはずなのに、ベッドに入ると考え事が止まらない…」
「些細な物音が気になって、なかなか寝付けない…」
そんな夜を過ごしていませんか?
実はその原因、ストレスによる「脳の興奮」がうまく鎮まっていないからかもしれません。そして、その興奮を鎮めるカギを握っているのが、普段の食事から摂れる特定の「ミネラル」なのです。
今回は、睡眠の質を劇的に変えるかもしれない、2つのミネラルについてお話しします。
神経の興奮を鎮める「天然の精神安定剤」
私たちの体の中で、神経の伝達や筋肉の動きを調整しているのがミネラルです。その中でも、特に睡眠と深い関わりを持つのが「カルシウム」と「マグネシウム」です。
これらは、イライラや過度な緊張を緩和する働きがあることから、栄養学の世界では「天然の精神安定剤」とも呼ばれています。

1. マグネシウム:睡眠ホルモンの司令塔
マグネシウムは、300種類以上の酵素の働きを助ける万能ミネラルですが、睡眠においては以下の重要な役割を果たします [1]。
- 睡眠ホルモンの合成: 眠気を誘うホルモン「メラトニン」を作るために必要です。
- 筋肉の弛緩: 緊張して固まった筋肉を緩め、リラックス状態へ導きます。(寝ている間に足がつる人は不足のサインかも?)
- 体温調整: 深部体温の調整に関わり、入眠しやすい体温変化をサポートします。
あおさ、わかめ、昆布(海藻類)、アーモンド、大豆製品、玄米など
2. カルシウム:脳の興奮へのブレーキ
「カルシウム不足=イライラ」という話を聞いたことがあると思います。これは決して迷信ではありません。
カルシウムは、脳神経の興奮が高まりすぎないように抑える「ブレーキ」のような役割を持っています。血中のカルシウム濃度が下がると、このブレーキが効きづらくなり、脳が覚醒状態のままになってしまうのです [2]。
乳製品、小魚、小松菜、厚揚げなど
おすすめは「マグネシウム」との合わせ技
カルシウムとマグネシウムは、ブラザー(兄弟)のように互いに協力し合って働きます。一般的には「カルシウム 2 : マグネシウム 1」のバランスで摂取するのが理想とされています。
🌙 晩ごはんに「和食」のススメ
この2つを効率よく摂るなら、日本の伝統的な食事が最強です。
- 豆腐とわかめのお味噌汁(大豆・海藻)
- しらすおろし(小魚)
- ほうれん草の胡麻和え(野菜・種実)
これらは、まさに「快眠のためのフルコース」と言えるでしょう。
まずは食事の見直しから
「眠れないから」といきなり薬に頼る前に、まずは今日の晩ごはんを見直してみませんか?
ミネラルは体内で作ることができないため、毎日の食事からコツコツ摂ることが大切です。今回紹介した以外にも、体には16種類もの必須ミネラルが必要です。
その他のミネラルの働きや、現代人が陥りやすい「ミネラル不足」の原因については、以下の記事で詳しく解説しています。
📚 参考文献・科学的根拠
- [1] Abbasi, B., et al. (2012). The effect of magnesium supplementation on primary insomnia in elderly: A double-blind placebo-controlled clinical trial. Journal of Research in Medical Sciences, 17(12), 1161-1169.(マグネシウム補給が不眠とメラトニンレベルを改善した研究)
- [2] Held, K., et al. (2002). Oral Mg(2+) supplementation reverses age-related neuroendocrine and sleep EEG changes in humans. Pharmacopsychiatry, 35(4), 135-143.(ミネラル摂取によるストレスホルモンの低下と睡眠の質の改善)