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「朝、アラームが鳴っても布団から出られない」
「十分寝たはずなのに、頭がズーンと重い」
もしあなたが毎朝このような不快感(睡眠慣性)と戦っているなら、それは「睡眠時間」の問題ではありません。
「起きるタイミング」を間違えているのです。
人間の脳は、パソコンと同じです。
システムアップデート中のような「深い睡眠」の時に電源を強制的に切れば、再起動に時間がかかり、バグ(不調)が起こります。
今回は、脳の波を読み解き、最もスムーズに覚醒できる「90分の黄金法則」について解説します。
脳の「深い波」と「浅い波」を知る
私たちの睡眠は、一定ではありません。
一晩の中で、脳を休める「深い眠り(ノンレム睡眠)」と、体を休めて脳を整理する「浅い眠り(レム睡眠)」を交互に繰り返しています。
この周期が、およそ「90分(1時間30分)」です。
* ノンレム睡眠(深い): 脳は完全にオフモード。ここで起こされると、脳は状況を把握できず、強烈なダルさを感じます。
* レム睡眠(浅い): 脳は半分起きているアイドリング状態。このタイミングなら、少しの刺激でスッキリと覚醒できます。
つまり、最高の目覚めを手に入れるには、この「レム睡眠の波」が来た瞬間にアラームを鳴らせばいいのです。

「7時間」ではなく「1.5時間の倍数」で寝る
多くの人が目指す「7時間睡眠」や「8時間睡眠」。
実はこれ、90分サイクルで見ると非常に中途半端な数字です。
* 7時間(420分) ÷ 90分 = 4.6サイクル(深い睡眠の真っ最中!)
7時間寝てダルいのは、計算上「脳が一番深い谷」にいる時にアラームが鳴っているからです。
目指すべきは、90分(1.5時間)の倍数です。
* 4サイクル:6時間睡眠(ショートスリーパー向け)
* 5サイクル:7時間30分睡眠(最も一般的・推奨)
* 6サイクル:9時間睡眠(ロングスリーパー向け)
「今日は忙しいから6時間で起きよう」「明日は余裕があるから7時間半寝よう」
このように、起床時間は「サイクルの切れ目」に合わせて設定するのが脳科学の正解です。
明日からできる!「ロジカル起床」ハック
90分サイクルを活用し、確実に「浅い眠り」で起きるための具体的な手順です。
① 起床時間から「逆算」してベッドに入る
まず「起きたい時間」を決め、そこから1.5時間の倍数を引いて「就寝時間」を決定します。
* 例:朝7:00に起きたい場合
* 7.5時間前(5サイクル) = 23:30 就寝
* 6.0時間前(4サイクル) = 25:00(深夜1:00) 就寝
「眠くなったから寝る」ではなく、「この時間に起きるために、今寝る」という戦略的なアプローチに変えましょう。
※入眠までの時間を考慮し、計算した時間の15分前には布団に入るのがコツです。
② 「光」で脳の覚醒物質を出す
90分のタイミングで起きても、部屋が真っ暗だと脳は「まだ夜だ」と勘違いして二度寝を誘発します。
覚醒のスイッチは、脳内物質「セロトニン」です。
セロトニンは、網膜に強い光が入ることで分泌されます。
* 起きたらすぐにカーテンを開ける。
* 遮光カーテンを少し開けて寝る(朝日が入るようにする)。
これで、物理的に脳を「ON」モードに切り替えることができます。

まとめ:睡眠は「長さ」より「タイミング」
「もっと寝たいのに時間が足りない」と嘆く必要はありません。
重要なのは、ダラダラと長く寝ることではなく、脳の波に逆らわずに起きることです。
今夜は、目覚まし時計をセットする前に、電卓を叩いてみてください。
「7時間半」または「6時間」。
この魔法の数字に合わせるだけで、明日の朝、あなたの脳は驚くほどクリアに起動するはずです。
📚 参考文献・引用元
- ・西野精治(著)『スタンフォード式 最高の睡眠』 サンマーク出版
- ・マシュー・ウォーカー(著)『睡眠こそ最強の解決策である』 SBクリエイティブ
- ・Dement, W. C., & Vaughan, C. (1999). The Promise of Sleep.