目次
  1. 脳のスイッチ「側坐核」は、動かないと反応しない
  2. 心理学者が発見した「作業興奮」の魔法
  3. 脳を騙して動く!最強ハック「5分ルール」
  4. 脳の防衛本能を解除する
  5. まとめ:感情を無視して、体を動かせ

「明日から本気出す」
「やる気が出たら、溜まった仕事を片付けよう」

そう思ってスマホを眺めているうちに、気づけば夕方…なんて経験はありませんか?
多くの人が「やる気が出ないから、行動できない」と考えています。

しかし、脳科学の結論は真逆です。
「行動しないから、やる気が出ない」のです。

実は、私たちの脳内にある「やる気スイッチ」は、待っていても一生勝手には入りません。
今回は、脳の構造を利用して、自分自身を強制的に「やる気モード」にする科学的ハック、その名も「作業興奮」について解説します。

脳のスイッチ「側坐核」は、動かないと反応しない

脳の中心部に、「側坐核(そくざかく)」という小さな部位があります。
こここそが、意欲ややる気を作り出し、脳内麻薬であるドーパミンを分泌させる、いわゆる「やる気スイッチ」の正体です。

しかし、このスイッチには非常に厄介な「仕様」があります。
それは、「外からの刺激がないと作動しない」という点です。

側坐核は、あなたがソファでゴロゴロしている間は、完全に沈黙しています。
しかし、あなたが「手足を動かす」「作業を始める」などして刺激を送ると、初めてエンジンがかかり、ドーパミンを出し始めるのです。

つまり、「やる気があるから行動する」のではなく、「行動するからやる気が出る」
この順番が脳科学的な正解なのです。

心理学者が発見した「作業興奮」の魔法

この現象は、ドイツの心理学者エミール・クレペリンによって「作業興奮(さぎょうこうふん)」と名付けられました。

あなたもこんな経験はありませんか?
* 「面倒だけど、とりあえず1枚だけ皿を洗うか」と思ったら、気づけばコンロ周りまで掃除していた。
* 「勉強したくないけど、とりあえずテキストを開くか」と思ったら、意外と30分集中できた。

これが作業興奮です。
「とりあえず動く」ことで側坐核が刺激され、後からやる気が追いついてきた状態です。

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脳を騙して動く!最強ハック「5分ルール」

理屈はわかっても、「その『とりあえず動く』のが一番しんどいんだよ!」という声が聞こえてきそうです。
その最初の一歩を踏み出すための最強テクニックが、「5分ルール(別名:スモールステップ)」です。

脳の防衛本能を解除する

脳は、大きな変化や大変そうな作業を「脅威(ストレス)」と感じ、全力でブレーキをかけます。
「部屋の大掃除をするぞ!」と意気込むと、脳は「うわ、大変そう。やめよう」と拒否反応を示します。

そこで、目標を脳が警戒しないレベルまで極限に下げます。
「5分だけやる。嫌なら5分でやめていい」
と自分に言い聞かせるのです。

* ❌ 「企画書を完成させる」
* ⭕ 「PCを開いて、タイトルだけ書く(所要時間1分)」

* ❌ 「5kmランニングする」
* ⭕ 「ランニングウェアに着替える(所要時間2分)」

これなら、脳は「それくらいなら…」とガードを下げます。
そして一度始めてしまえばこっちのもの。側坐核が刺激され、作業興奮が始まり、気づけば5分以上続けてしまっているはずです。

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まとめ:感情を無視して、体を動かせ

「やる気」という気まぐれな感情を待つのは、もうやめましょう。
やる気は、空から降ってくるものではなく、あなたの足元(行動)から湧いてくるものです。

「めんどくさいな」と思いながらで構いません。
感情は無視して、とりあえず靴を履く、とりあえずペンを持つ。
その小さなアクションが、脳のスイッチを「カチッ」と押してくれるはずです。

📚 参考文献・引用元

  • ・池谷 裕二(著)『脳には妙なクセがある』 扶桑社
  • ・エミール・クレペリン(心理学者)「作業曲線と作業興奮」に関する研究
  • ・デイビッド・アレン(著)『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』 二見書房

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