目次
  1. 「セカンドブレイン」とは何か?
  2. 構築のための「CODEの法則」
  3. 1. Capture(収集する)
  4. 2. Organize(整理する)
  5. 3. Distill(要約する)
  6. 4. Express(表現する)
  7. まとめ:創造性とは「接続」である

面白い記事を見つけた。役に立つビジネス書を読んだ。素晴らしいアイデアを思いついた。
その瞬間は「これは使える!」と興奮しても、1週間後には内容を忘れ、1ヶ月後には読んだことすら忘れてしまう。

私たちは日々、情報のシャワーを浴びていますが、そのほとんどを排水溝に流しています。
これは非常にもったいないことです。人生の時間は「何を知ったか」で積み上げられるはずなのに、穴の空いたバケツに水を注ぎ続けているようなものです。

なぜこうなるのでしょうか?
原因は、私たちが生物学的な脳(ファーストブレイン)に頼りすぎているからです。

脳科学の原則として、「脳はアイデアを生み出すための器官であり、保管するための器官ではない」のです。
今回は、記憶という重労働をデジタルツールに外注し、あなたの脳を「純粋な思考」のためだけに解放するシステム、「セカンドブレイン(第二の脳)」の構築法を解説します。

「セカンドブレイン」とは何か?

セカンドブレインとは、生産性エキスパートのティアゴ・フォーテが提唱した概念(Building a Second Brain = BASB)です。
Notion、Evernote、Obsidianなどのメモアプリを単なる「メモ帳」としてではなく、「信頼できる外部記憶装置」として体系化する手法を指します。

多くの人は、メモを「忘れないために」とります。
しかし、セカンドブレインの目的は逆です。
「安心して忘れるために」記録するのです。

全ての情報をデジタルに放り込み、「あそこを見れば全てある」という状態を作ることで、脳のワーキングメモリ(作業領域)が劇的に軽くなり、目の前の作業への集中力と創造性が最大化されます。

first-brain-vs-second-brain-comparison.jpg

構築のための「CODEの法則」

では、具体的にどうすればいいのか?
ただ漫然とWebクリップを保存するだけでは、デジタルゴミ屋敷ができるだけです。
情報を知識に変えるには、以下の4段階のプロセス「CODE(コード)」を回す必要があります。

1. Capture(収集する)

心に響いたことだけを保存します。
重要なのは「情報の選別」です。SNSのタイムラインをすべて保存するのではなく、「感動した言葉」「解決策になりそうな図解」など、あなたの感情が動いた共鳴ポイントだけをクリップします。
(※ここでのコツは、フォルダ分けを考えずに「受信トレイ」に放り込むことです)

2. Organize(整理する)

ここが最大の難関ですが、革命的な整理術があります。
情報を「カテゴリ(種類)」ではなく「プロジェクト(使い道)」で分けるのです。

多くの人は「マーケティング」「心理学」「健康」といったジャンルでフォルダを作りますが、これでは死蔵します。
そうではなく、「PARAメソッド」を使います。

  • Projects(プロジェクト):今動いている案件(例:Webサイト制作、夏休みの旅行計画)
  • Areas(エリア):継続的な責任範囲(例:健康管理、資産運用)
  • Resources(リソース):将来役に立つかもしれない興味(例:心理学、コーヒーの研究)
  • Archives(アーカイブ):完了・凍結したもの

「この情報は『どのプロジェクト』で使えるか?」という基準で保存することで、情報は「資料」から「武器」に変わります。

3. Distill(要約する)

保存した記事を後で読み返す時、全文を読むのは時間の無駄です。
保存した直後(または週末)に、重要な部分を太字にしたり、「要するに何か?」という要約を数行で追記しておきます。
未来の自分への「申し送り事項」を残すイメージです。

4. Express(表現する)

ここがゴールです。集めて、整理して、要約した知識を組み合わせて、自分の作品(ブログ、提案書、動画、会話)としてアウトプットします。
セカンドブレインがあれば、ゼロから考える必要はありません。過去の自分が集めた「知識のブロック」を組み立てるだけで、高品質なアウトプットが完成します。

code-method-flowchart-second-brain.jpg

まとめ:創造性とは「接続」である

スティーブ・ジョブズは言いました。
「創造性とは、物事を結びつけること(Connecting dots)にすぎない」

しかし、結びつけるための「ドット(情報)」を持っていなければ、あるいはドットがどこにあるか分からなければ、何も結びつけることはできません。

あなたの脳を、記憶という重荷から解放してあげてください。
そして、デジタルの第二の脳と協力して、あなただけの新しい知的生産システムを築き上げてください。
それが、情報爆発の時代を生き抜く唯一の戦略です。

📚 参考文献・引用元

  • ・Tiago Forte (2022). Building a Second Brain: A Proven Method to Organize Your Digital Life and Unlock Your Creative Potential. Simon & Schuster.
  • ・Ahrens, S. (2017). How to Take Smart Notes. CreateSpace.
  • ・Clark, A., & Chalmers, D. (1998). The Extended Mind. Analysis.

次に読む記事を探しませんか?

気になるテーマから、あなたに合う記事を見つけましょう。

記事一覧へ トップへ戻る