炭水化物は、活動するためのエネルギー源となる栄養素であり、脂質、タンパク質と並んで「三大栄養素」とされています。
炭水化物の分類と構造
炭水化物は、体内でエネルギーに変換される「糖質」と、消化されにくくエネルギーにならない「食物繊維」に分類され、糖質はさらに、分子の構造によって「単糖類」「少糖類」「多糖類」といった種類に分けられます。
炭水化物の具体的な分類は、下記のとおりです。
| 炭水化物 | 糖質 (エネルギー源になる) |
単糖類、少糖類、多糖類 |
|---|---|---|
| 食物繊維 (消化されにくい) |
水溶性、不溶性など |
炭水化物の重要な働きと脳への影響
炭水化物の最も重要な働きは、私たちが活動するためのエネルギーとして使われる「ブドウ糖」を、体内の様々な組織に供給することです。炭水化物のうち、「糖質」は、体内で分解されると1gあたり約4kcalのエネルギーを生み出します。

特に、脳は常にエネルギー源としてブドウ糖を利用しており、その消費量は一日あたり約120gにもなると言われています [1][2]。
そのため、炭水化物の摂取が不足すると、疲れを感じやすくなったり、集中力が低下したり、判断力が鈍くなるなどの影響が出ることがあります。さらに、炭水化物の不足状態が続くと、意識に影響が及ぶ可能性も指摘されています。
摂取のバランス:不足と過剰のリスク
また、糖質の摂取が不足すると、体はエネルギーを補うために筋肉などのタンパク質を分解してしまいます。その結果、筋肉量が減少し、基礎代謝が低下することで、太りやすくなったり痩せにくくなったりする場合がありますので注意が必要です [3]。
一方で、炭水化物を過剰に摂取すると、使いきれなかった糖質が中性脂肪として蓄えられ、肥満をはじめとする生活習慣病のリスクを高める可能性があります。
したがって、炭水化物は不足しないように、しかし摂りすぎにも注意して、適切な量を摂取することが大切です。
食物繊維のエネルギーについて
なお、炭水化物に含まれる「食物繊維」は、腸内細菌によって分解されることで、1gあたりわずかなエネルギー(0~2kcal程度)を生み出すとされています。しかし、炭水化物全体から得られるエネルギーに占める食物繊維由来のエネルギーの割合はごくわずかであるため、エネルギー計算においては「食物繊維=エネルギーゼロ」と考えても差し支えないでしょう。
📚 参考文献・科学的根拠
- [1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」:脳のエネルギー消費量に基づく炭水化物の必要量について
- [2] Mergenthaler, P., et al. (2013). Sugar for the brain: the role of glucose in physiological and pathological brain function. Trends in Neurosciences, 36(10), 587-597.(脳機能におけるグルコースの役割)
- [3] 厚生労働省 e-ヘルスネット「炭水化物 / 糖質」